本項では、当校の趣旨(指導法の根本的な考え方)を述べます。
【当校で実現したいこと】
小中高生・浪人生の皆さんは、
勉強が出来る方が、将来、より知的でエキサイティングな仕事が待っていることを知っていますから、なるだけ勉強が出来るようになりたいと思っています。しかし、いくら勉強しても賢くなった気がせず、成績も大して向上しないという現実があります。
その結果、「真面目に勉強しているが、ずっと行き詰まっている」「あいつはあまり勉強していないのに、どうして自分より成績がいいのか?」「自分の能力はこんなものなのか?」「自分の一生はこんなものなのか?」といった疑問を持つことになります。
「疑問」と書きましたが、皆、その答えには薄々気付いています。つまり、
勉強の出来る・出来ないは、皆さんが賢いかどうかでほぼ決しており、いくら勉強しても、自分の賢さ以上に成績は伸びないということです。例えば賢さが関関同立レベルなら、勉強していけばそこまではサーっと伸びますが、それ以上は急に伸びにくくなるといったことがあります。
当校は、皆さんを賢くしたい塾・予備校です。賢くなることで、行き詰まりを打破し、現在の限界を超えた成績upを目指します。
学力の源となる賢さ(能力)を向上させるということです。
【FAQ(=よくあるご質問)】
A. 学校の授業や、教科書・参考書の説明文が、今までより論理立ててハッキリ分かるようになります。その結果、これまで何度も繰り返し練習して覚えるしかなかったようなことが、説明を聞く・読むだけでマスターできるようになり、また精度もアップします。(傾向として、ということです。魔法のように全て分かるわけではありません。)
Q. それは便利そうね。でも、そんなことで成績がアップするの?
A. はい。勉強とは、説明を理解し、指示内容を実施することです。具体的には次の「勉強が出来るとは」の項でご説明しましょう。
POINT
- 賢さ(能力)のところで成績は頭打ちになります。
- 当校は賢さ(能力)を向上させたい塾・予備校です。
「勉強が出来るかどうか」は、「説明が理解でき、その中にある指示を実施できるかどうか」で決まります。(当校ではこれを
論理性と呼んでいます。)本項ではそれを、例を挙げてご説明します。
【説明とは?関係代名詞の例】
説明とは、どういうものでしょうか。一例として、英文法の関係代名詞の説明を考えてみます。
「姉が飼っている猫」
(*1) のような日本語の大きな名詞を、英語に置き換えるには、次のようにします。
- (*1) の中で「中心語句」に注目しておきます。「猫」、"a cat" (*2) です。
- (*1) を日本語の文にし、次に英語の文にします。「姉は猫を飼っている。」→ "My sister has a cat." となります。
- この英文中で、中心語句 (*2) を関係代名詞に置き換え、文頭に出します。関係代名詞は、人ならwho、モノならwhichを使います。"which my sister has" (*3) となります。
- (*2), (*3) を並べて完成です。"a cat which my sister has" となります。
次に、「私は、姉が飼っている猫を見た。」を作文することを考えます。「私は○○を見た。」は "I saw ○○." です。○○の部分は上で説明したものを挿入すれば良いので、全体は "I saw a cat which my sister has." となります。
※ 今のところ、a/the の違いや、which/that の違いなどは、気にしないことにします。
皆さんが中学で受けた説明も、だいたいこれと似たようなものだったと思います。
【FAQ(=よくあるご質問)】
Q. この説明、難しいわね。言ってる意味は分かるけど、自分で同じように出来るかは疑問だわ。でも、私は関係代名詞は練習して出来るようなったから問題ないわね。こんな面倒な説明、必要なの?
A. 繰り返し練習でマスターできるのは関係代名詞が限界です。お伝えしにくいんですが、この説明を読んで、書いてある指示を実施できないと、関係代名詞を超える内容(高校の勉強)では落ちこぼれていくんです。次の「群動詞の受動態」の例をご覧頂ければ、具体的なイメージが分かると思います。
【群動詞の受動態の例】
さて、英文法の「群動詞の受動態」の説明を考えてみます。
能動文 They laughed at me. を受動文にすると、I was laughed at. となります。能動文が書ける人でも、受動文になると、うっかり前置詞を忘れます。受動文の作文をしたら、前置詞を忘れていないか確認するために、V(上の下線部)からbe動詞を取って原形にし、後ろに主語を付けて laugh at me のようなフレーズを作り、そのフレーズが正しいか、確認して下さい。
こちらの説明文は、関係代名詞の説明文より短いですが、実際にやってみると、出来る生徒は少なくなります。
ここから先では、「産近甲龍レベルの生徒」「関関同立レベルの生徒」のような言い方が出てきます。「このまま行けば○○大学に合格できそうな生徒」という意味です。
【産近甲龍レベルの生徒】
例えば産近甲龍レベルの生徒なら、上の内容をプリントを見せながら説明してもすぐには出来ず、繰り返し練習して出来るようにしても、1ヶ月くらい経つと間違えます。
この
指示を
実施できない理由は、こういった
論理的な文章を自分で言えないからです。実際に生徒に接していると分かりますが、「自分で言えないが、実施だけは出来る」という生徒はいません。
論理的な文章を、「言えない」→「実施できない」ということです。
この「群動詞の受動態」の説明には、次のように、難しいポイントが2つあります。
- 「○○という理由で△△せよ」という論理を含んでいる。 (*1)
- 「△△せよ」という指示において、指示内容が「Vからbe動詞を取って原型にし、後ろに主語を付けて laugh at me のようなフレーズを作る」のように複雑である。 (*2)
(*1) の「○○という理由で△△せよ」という文章が言えないのは、
頭の中に、「分割して理解する」という論理回路が存在しないためです。正しい理解は、「この説明は 問題 → 解決 という形になっている。問題は○○、解決は△△だ」のようになります。しかし、この説明が理解できない生徒は、全体をボンヤリと考えてしまい、例えば問題の部分が分からなくても、気にならないのです。「どういう理由で何をしますか?」と質問してみると、答えられません。
(*2) の複雑な指示内容を言えないのは、
頭の中に、「手順」という論理回路が存在しないからです。そのため、was laughed at -(be動詞を取る)→ laughed at -(原形にする)→ laugh at -(主語を付ける)→ laugh at me という変形を実施できません。「be動詞を取って」を読んで、was laughed at → laughed at と変形する、ということを、ワンステップずつ実施する習慣がありません。
まとめますと、
産近甲龍レベルの生徒は、説明文の内容を理解し、そこに書かれている指示を実施するということが、ほぼ出来ません。そのため、繰り返しの練習でマスターするしかありませんが、その方法でマスターできるのは
関係代名詞くらいまでが限界で、そこから上の内容は、何度繰り返してもすぐに忘れてしまいます。
【関関同立レベルの生徒】
関関同立レベルの生徒に上の説明をした直後、同じ説明をさせると、説明できます。問題を解かせると、例で出したのと同じような問題だと解けますが、意地悪してわざと前置詞が入らない問題を出したりすると間違えます。つまり、
自分で説明が言えていても、本当に分かっているのではなくて、実際には例題のやり方を写しているだけなのです。ただ、繰り返し練習して出来るようにすると、1ヶ月くらい経ってもまだ出来ます。つまり、「○○という理由で△△する」のような
論理的な文章を、はっきりとは無理でも薄っすらと理解できて、記憶の取っ掛かりくらいには出来ている、ということです。
このレベルの生徒は、高校レベルの勉強も、時間をかければマスターしていくことが出来ます。しかし、いくら真面目に勉強しても、
説明を読んで理解し、自分の頭で問題を解ける生徒とは勝負になりません。関関同立に在学する大学生に、高校英文法の問題を出すと、ほとんどの生徒で0点近い点数になります。高校の勉強が本当には分かっておらず、単元毎に答えを暗記しているだけですから、高校を卒業してしばらくすると忘れてしまって当然なのです。
【FAQ(=よくあるご質問)】
Q. わたし、この例だと産近甲龍レベルだと思うわ。確かにこれじゃあマズイわね。どうしたらいいの?
A. こういったことは遺伝的資質やこれまでの積み重ねですから、一朝一夕にどうこうなるものではありません。しかし、当校では、少しでも皆さんの賢さ(能力)をアップさせるための学習方法を指導しています。具体的なやり方は次々項の「どうやって賢くなるの」の項をご覧下さい。
POINT
- 論理性 = 説明文を読んで、「内容を言える」+「指示を実施できる」
- 産近甲龍レベル、関関同立レベルの生徒は、論理性をアップさせることが、賢さ(能力)アップのポイント
前項では、産近甲龍レベル、関関同立レベルの生徒の皆さんをターゲットに、
論理性について説明しました。本項では、摂神追桃レベルの生徒の皆さんをターゲットに、
集中力・注意力について説明します。
【摂神追桃レベルの生徒】
摂神追桃レベルの生徒は、余りのある割り算の100ます計算で、100問中5問くらい間違えます。また、英単語のスペルテストを自己採点させると、100問中1問くらい間違いを見逃すため、自己採点が成立しません。つまり、
集中力・注意力が、ありません。集中力とは気を張って机に向かう能力、注意力とは特徴に気付く能力のことです。
このレベルの生徒は、
非常に簡単な指示でも実施できない場合があります。英文法の「可算名詞の単数形」を取り上げます。
book, dog, chair など、可算名詞の単数形には、
- 冠詞(a, an, the)
- 所有格(my, his, Tom's, ...)
- 指示代名詞(this, that, ...)
が、合計で一つだけ付きます。例えば、冠・所・指が1個の a book, my book, this book などがOKで、冠・所・指が0個の book や、2個の my this book はNGです。
上の内容をプリントを見せながら説明し、全くそのままの練習("a pen", "a good book"など)を行っても、1~2割間違えてしまいます。できない理由を調べてみますと、まず、プリントに書いてある説明(「冠・所・指を1個付けよ」)は言えることが多いため、説明は分かっています。間違う度に、なぜ間違ったか尋ねてみますと、教えたことを考えずに答えを書いているのが原因と分かります。つまり、
指示されたことを覚えておいて、その状況になったら思い出して実施するという回路がありません。「何かを覚えておいて必要な状況で思い出す」というのは、ほとんど勉強の定義そのものと言っても過言ではありませんから、勉強することが非常に困難な状態です。この問題を間違える生徒の場合、問題を解く前に確認の仕方を詳しく説明したり、必ず確認するよう強く言ったりしても効果がないことが多く、「何の説明も通用しない」「理屈は通用せず、雰囲気で覚えるしか仕方がない」といった状況です。
まとめますと、摂神追桃レベルの生徒は、
集中力・注意力がなく、学習に伴う当たり前の活動が成立しません。
【FAQ(=よくあるご質問)】
Q. これ、わたしの弟と一緒だわ。こんな状況で、賢くなることって可能なの?
A. この状況から、例えば東大に入るのは無理と思いますが、今より良い状況にすることは、出来る場合が多いです。やり方は次の「どうやって賢くなるの」の項をご覧下さい。ただ、成績が悪い生徒ほど、挨拶をしない・嘘をつく・人のせいにする、などの割合が高くなります。例えば嘘を2~3回ついたら退学させます。そういうことがなければ、大抵は賢くなることが可能です。
POINT
- 集中力 = 気を張って机に向かう能力
- 注意力 = 特徴に気付く能力
- 摂神追桃レベルの生徒は、集中力・注意力をアップさせることが、賢さ(能力)アップのポイント
本項では、当校での具体的な学習スタイルについて述べます。
【賢さの基準、賢くなる方法】
上の「勉強が出来るとは」の項でご説明した通り、
産近甲龍レベルを境界線として、そこから上は論理性で、そこから下は集中力・注意力で、差が付きます。
論理性に関しては、当校では、算数・数学や、国語の問題を解くことで身に付けます。
解けなかった問題・間違った問題が、皆さんの頭の中に不足している論理回路を表していますので、そういった問題が出て来る度に、不足している点を補っていきます。例えば、「A, B, C以外に答えはあり得ない。この内、条件に当てはまるのはA, Bなので、答えはA, Bだ(絞り込み)」や、「もしAならBとなるが、BではないのでAではない(背理法)」や、「○○という言葉は、△△を意味するものとする(定義)」などです。
集中力・注意力に関しては、当校では、100ます計算や、英単語のスペル、英文暗唱、国語の問題などを通して身に付けます。
【当校は勉強全般を扱います】
しかし、当初の間、そのように算数・国語ばかりやって、今の学年の勉強(学校の予習・復習など)をしなくなれば、却って成績が下がってしまいます。
当校は、「自校での勉強だけを教えて、学校の勉強は知りません」というスタイルではありません。学校での勉強から受験まで、勉強に関する全般において、講師と生徒が相談して、やり方を改善していきます。学校の勉強に関しては、予復習を工夫して当校の宿題をやる時間を作るなどします。上で論理性・集中力・注意力の向上方法を説明しましたが、これだけをやるのではなく、暗記が苦手な生徒は暗記の練習をするなど、
勉強全般を扱います。
【FAQ(=よくあるご質問)】
Q. この塾は、こういった思考力強化の勉強ばかりしているの?
A. いいえ。こちらのページでは思考力を中心にご説明したのでこのようになっていますが、授業時間で多くを占めるのは英数になります。英数の授業内容については、本ページ上部に掲載している動画をご覧下さい。
POINT
- 当校では「賢さ(能力)= 論理性・集中力・注意力」と考えています。
- 小学校に戻って復習し、頭の中に抜けている論理回路を補います。
- 学校の予復習を含め、勉強全般を扱う塾・予備校です。